ライザ・ミネリ主演のミュージカル。
キャバレーで繰り広げられる楽しいショーをイメージしていたらちょっと違って、ナチス、同性愛、中絶など、ディープなテーマを含んだ毒味たっぷりのミュージカルだった。
アメリカ的なノリじゃなく、ミュージカルがやや苦手な私には好みなテイストで、普通の映画として面白い。
1931年のベルリン、ナチスが台頭してきた時代。人々が徐々にナチズムに傾倒し始めている不穏な空気と退廃的な雰囲気で描かれる。
女優を夢見るキャバレーの踊り子サリー(ライザ・ミネリ)とイギリスから来た学生との恋をメインに、ユダヤ人や同性愛といった題材を絡めた一筋縄ではいかないラブストーリー。
ライザ・ミネリの個性的な顔立ちと衣装、おしゃべりなキャラはウザいけど、ステージに立つと別人みたいにカッコいい。
ラストに♪ Life is a cabaretと歌い上げる姿には痺れました。
司会の白塗りの男(ジョエル・グレイ)が時代の雰囲気に合い、不気味さと快楽の象徴のよう。彼とのデュエット♪money moneyもよかった〜!
ストーリーとリンクした曲の歌詞も素晴らしい。
「地獄に堕ちた勇者ども」のヘルムート・グリームの存在感もいい。
狂乱の時代の足音を感じさせるラストがゾクっとして秀逸でした。