Melko

キャバレーのMelkoのレビュー・感想・評価

キャバレー(1972年製作の映画)
3.9
「セックスは不要よ、友人関係を壊すから」

「見て、私のこの体!そそるでしょ?」

「あなたは今まで出会った中で最も風変わりで奇抜だわ」

♪ if they could see her through my eyes
Maybe they'd all understand
(僕の目を通して彼女を見れば、僕が何故彼女を愛するのか、分かるはず)

♪ What good is sitting alone in your room?
Come hear the music play
Life is a cabaret, old chum
Come to the Cabaret

おお〜〜
もっとキャバレーのギラギラ楽しい感じがメインかと思いきや、思ったよりもナチスの影が濃かった…!!

午前10時の映画祭、初鑑賞!
ずっと見たかったこの作品

OPから掴まれた
モノクロが徐々にカラーになっていくが、何かを通して見ているので何を写しているのかハッキリしない
それが、舞台上のボコボコのガラスであることがわかり、横からMC役の狂言回しがパッと現れ、ボワっと映っていたのはキャバレーを見にきていた客であることがわかる
そこから始まるキャバレーの演目
ここまでの一連が完璧すぎて目が離せない
カメラワークすらエンタメ

舞台はドイツ ベルリン
主人公はアメリカ人の歌姫サリー
サリーは自由奔放で好きなことを喋りまくるし、お人好しでお節介、下ネタ大好き
何事も自分のペースでグイグイ進めるので厄介だが、パッチリお目目にバサバサまつ毛が愛らしく、チャーミングな性格で憎めない

部屋を探してやってきた、イギリス人のブライアン
真面目で実直な性格
どうやらゲイらしい
サリーと親友関係になるのだが、、

ブライアンの振る舞いと行いに、りゅうちぇるを想像してしまった
今まで女性と男女の関係になれなかった彼が、サリーとはできてしまった
その時にサリーが弱っていたからに他ならないのだけど

終盤のサリーの告白
本音は言えてないと思うの、私
サリーは愛情に飢えている女性
子供が産まれれば、ブライアンの愛情は100%は自分には向かなくなってしまう
それを、あのブライアンの表情から感じ取ったからあの行動を取ったのでは、と。
男女の友情、男女の関係って難しいね
きっと、ホントに友人関係だった方が良かったのかもしれない

人生はキャバレー

ホントにそれが全て当てはまるかのように、歌と共に物語が進む

舞台上のお姉様達のメイクは、どちらかというとドラァグクイーンみたいにド派手
歌の内容もダンスも下品なのに、何故だろう、生きる力をもらえる
生きよう、前に進もうとするパワー
パフォーマンスは圧巻
なんて言うか、オカマバーのショーみたいな、退廃的だけど強引なキラキラパワーを感じた

「バーレスク」もそうだけど、大好きな「コニー&カーラ」で聞いたことのある曲がたくさん聞けて良かった◎
コレが元祖か…!

ブロードウェイ版と比べるとだいぶ曲が削られてるみたいで、コレ必要だったかな?ってシーンもチラホラあったけど、文句を言わせないような圧巻の静かなラストシーン

幕開けと幕引きはほぼ同じ構図
だが、客層が違うのだ
ラストは客のほとんどがナチスになっている
怖っっ……
エンタメだ楽しい〜〜
では終わらせてくれなかった
ううん…!!!

和田アキ子と郁恵ちゃんを足して割ったようなライザ・ミネリ
化粧バチバチの時も、すっぴんの時も可愛さ爆発してるし、歌ったらパワフルだし、無敵

MVPはMC役のジョエル・グレイ(90歳でご存命!)
どことなく片岡鶴太郎に似てる
生粋のアメリカ人なのに訛り英語がうますぎない??ちょっとビックリ
歌にダンスに頑張りまくってて拍手モノ👏
Melko

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