このレビューはネタバレを含みます
頽廃的な雰囲気の中で政治批判をシニカルに表現したストーリーも、説明をさけ映像を意識した編集も、癖になるキャバレーの楽曲と振り付けも、ライザミネリの演技と歌声も全て素晴らしい。
大衆性に溶け込ませたスタイリッシュで芸術的な編集はボブフォッシーが一番だと思っているし、キャバレーはそれを証明している映画だとも思う。
まず編集のテンポがいい。
→アクション・リアクションのカットがリズミカルに提示され、見ていて心地よい。
ミュージックと編集のタイミングもバッチリだった。
そして意味を持たせる編集をしている。
→今までのカットを繋げてサリーに迷いがあることを示し、最後暗い階段に子供を置き去りにする。見た人はわかると思うが、それは中絶を意味している。
キャバレーのショーで披露される楽曲が本筋に繋がる構造は斬新かつ知的で興味深い。