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ヒマラヤ杉に降る雪のchipのネタバレレビュー・内容・結末

ヒマラヤ杉に降る雪(1999年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

「優しい心をありがとう…」

ラストに工藤夕貴が言うこの言葉が、雪が舞う中で温かく響いていました。
フォロアーさんからのおススメで鑑賞、とても美しい作品でした。



日本からの移民たちが多く暮らしていた島で…
ヒマラヤ杉が生茂る森の中で
走り、遊び…
愛し合うようになる、
白人のイシュマルとのハツエの姿が、とても瑞々しくて美しかった。。鈴木杏ちゃん、この時12歳なんですね〜素朴でかわいかったなぁ〜


戦争が起こり、真珠湾攻撃があって…村人の日本人に対する目つきが変わってくる。
日本人の強制収容所があったこと、ここで初めて知りました。
今まで一緒だったスクールにバス乗る日本人生徒が居なくなって。
すっかり変わってしまった世界…
ふたりはきっとそう思ったでしょう。
コロナ禍の今も、そんな風に感じること、ありますが。


別れ別れになって大人になったふたり、工藤夕貴とイーサン・ホーク。
あー、当時
工藤夕貴のハリウッド挑戦、って話題になった映画でした。
英会話も猛特訓したとか…
流暢な英語で、耐え忍ぶ日本女性、すばらしい演技でした。
「ガタカ」の2年前のイーサンは、シュッとしてとてもカッコよかった〜♡
ハツエの夫にかけられた殺人容疑の裁判で再会したふたりでした。
検事が陪審員に向かって言います。
「アメリカ市民としての義務を果たしてください」
真珠湾攻撃した日本人だから犯人に違いない、と決めつえていた、
悲しい人種差別。。

対する老弁護士が言った
「人間の良心と品位において
陪審の務めを果たしてください」
必死の訴えでした。。


法廷で
証拠を集めて示したイーサンに、
傍聴していた日本人が皆深々礼をするシーンにはグッと迫るものがありました。


彼女と夫、子どもの
笑顔を見ながら
法廷を去るイーサン…
外は吹雪でした。
そして駆け寄った彼女が
「優しい心をありがとう」
と言って大きなハグ!
ラストも秀逸です。



全体的に、色味を極端に抑えた画像…
それもまた美しかったです。
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