Osamu

わが青春に悔なしのOsamuのレビュー・感想・評価

わが青春に悔なし(1946年製作の映画)
4.0
原節子の顔を観る映画。

太平洋戦争に向かっていた時代に、平和のために活動する男に惹かれた女の物語。

我儘なお嬢さんの心の揺らぎ、爆発、不安と絶望、そして人間としての信念と希望を、原節子が顔だけで表現する。

「理由は聞かずに私に謝って」のシーンはスゴイ。次々に変化する感情を顔のアップ、ワンカットで映す。100色の色鉛筆のグラデーションを端から逆の端まで順番に見ているようだった。笑っていたのに、気が付いたら怒っていて、また気が付いたら悲しんでいて、気が付いたら、、、。

黒澤明監督の戦後第1作。
画が凝っている。

序盤の裏山に登る疾走シーンはタイムリープのトンネルを駆け抜けているかのようだった。物語に一気に引き込まれた。

原節子演じる幸枝が初めて鍬を持つシーンのカット割りは迫力あった。決断する時のインスピレーションと衝動、踏み出す力と歓びを感じた。

黒澤作品はほとんど観たことがなかったけど、いいなあ。