彦次郎

マッドマックス2の彦次郎のレビュー・感想・評価

マッドマックス2(1981年製作の映画)
3.9
時は近未来。大国の争いにより生き残った人々がガソリンなど資源を奪い合う荒廃した世界に流浪の男マックスが愛犬と愛車インターセプトと共に現れるバイオレンスアクション。前作で妻子を殺されたマックスが主役ということで続編ではありますが荒涼たる世界観はこの作品で決定的になったと思われます。その世界観は『北斗の拳』、『マッハライダー』など漫画・ゲームなど創作物に影響を与えました。特にメインキャラが案外アッサリと死亡したりする非情さは斬新です。
寡黙孤独偏屈なマックスですがフェラル・キッドにオルゴールを贈与したり損得抜きで石油精製所のメンバーに協力するようになるなど無骨ながらも心底に優しさがあるところが魅力です。
道路上での迫力ある死闘が見所ですが各キャラクターが魅力的なのも印象的です。なかでも悪党の造形が素晴らしいです。マッチョ半裸だけでも威圧感があるのにホッケーマスクをつけて部下を腕力で締め落とすボスのヒューマンガス(演説に長けていることから知能も高い)、フェラル・キッドの鋼鉄ブーメランを素手で掴もうとして指4本斬られたトーディーなど忘れがたいインパクトです。
特筆すべきはウェズ・ジョーンズ。赤髪モヒカンでオートバイで駆ける凶暴凶悪な部下という世紀末のイメージを決定づけた人物でこの作品以降に頻出するチンピラ悪党(作中ではもっと扱いは良いけど)の偉大なるパイオニアとなっています。
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