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ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密のkoyaのレビュー・感想・評価

4.0
女優の配役が見事。
華やかで気が強い反面、常に何かに依存していないと不安定になってしまうわがままと弱さを持つ母ヴィヴィ(エレン・バーンスタイン)の若き日をアシュレイ・ジャドが演じていますが、本当によく似ていて
キャスティングの上手さに、まず、感心。

また、ヴィヴィの親友達、ヤァヤァシスターズがマギー・スミスをはじめ海千山千の3人老女達。

今は遠くはなれたニューヨークで暮らしているものの自分の中の「母の気性」を意識してしまい、精神的に自立できず、結婚に踏み切れずにいる娘(サンドラ・ブロック)を3人のシスターズは軽々誘拐・拉致して母娘の葛藤を解決しようとしますが、その手口がなんともひょうひょうとしていて、あっけらか~んとしていて愉快。

もう、私たちが出てきて当然でしょ、ほほほ~という感じ。美しきチームワークであります。

そういう人間関係の描き方、また、母と娘は実は気性がそっくり・・・というところ(同時に電話の受話器をバンバンバン!)などを、軽妙で辛辣、ウィットにあふれる会話とユーモア、ノスタルジックな映像でもって過去と現在を混乱させることなく交差させていく語り口が見事。

人間の性格を一言であらわすことは難しいのに、一言で説明、判断、納得しようとすることが、いけないのよねぇ、わかったぁ?とシスターズに言われてしまったような気がします。
マギー・スミスいわく「夫がゲイだと気づくのに25年かかったのよ」だそうですから。

出てくる人達が皆、強くて弱くて・・・悪気はないのになぜか気持ちが通じない、結果が裏目にでてしまうもどかしさに共感してしまうのはやっぱり、自分が年をとったせいか・・・ヤァヤァズの真似をしてタバスコたっぷりのトマト・ジュースをセロリをマドラーにして飲んでみれば、なにか悟りが開けるかも。
うーん、トマト・ジュース、ちょっと苦手・・・悟り、開けず。
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