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メランコリアのAsianlilyのレビュー・感想・評価

メランコリア(2011年製作の映画)
4.2
トリアー7本目。胸糞映像に慣れ過ぎて、この映画きれい 。ドグマ95的手法を唱える彼がどーやってSFチックな題材を描くのかと思ったが、なるほど‼︎トリアー作品、様々なメタファーが難解で、色んな解説読んで勝手に解釈して納得。↓

冒頭の映像の美しさ‼︎映し出される妹と姉が異なる星に背を向ける映像が全てを表してるよう。一部と二部での姉妹の対比。画面の色と手ブレ感。姉妹2人の恐怖を抱く対象がと価値観が違うだけで、特別ジャスティンが異常者には見えなかったなー。

惑星メランコリアは膨大な脅威の隠喩だと思うけど、この最期なら自分もジャスティン側の人間だろうな。あとは人間関係や心情を映し出す鏡的役割。この世の幸福の定義も全て人類がしただけのことで、終末を目前にしたら何の価値もなくなり、全てから解放されて平等になる。だかこのストーリーがある種のハッピーエンドなのは納得。地球と惑星の関係性を見ても。

面白かったのが、話が進むにつれて城がどんどん閉鎖的なとこ。こんな惑星近づいてたら世界中パニックなはずなのに、この家族しか映されず、情報源もジョンのみ。

あと、いつも映し出される宗教観。男性達と馬は聖書から取った名前がつけられていて、最終的に彼らはみんなあの城にいない。19番ホールは“辺獄(リンボ)”を表しているというのを見て、その中でさえ囲いを作るジャスティンの姿に皮肉を感じた。どこに焦点を当てるかで何重にも楽しめる映画。
トリアー作品お馴染みのシャルロット、ほんとにやつれた姿似合うよなー笑

「トリスタンとイゾルデ」にまつわる考察を読んで、へぇ〜‼︎ってなった。それを深める知識は私にはない...
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