まぐ

アイデンティティーのまぐのネタバレレビュー・内容・結末

アイデンティティー(2003年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

なるほど、前半のミステリ、サスペンスから後半の意外な種明かしまで上手く引き継いでおり、だれない。尺が短いのも良かった。

小さな違和感を少しずつ紡いでいき、それが脳内世界の出来事だとわかる瞬間はなかなかの衝撃。

しかし欲を言えば、人格1つ1つの動機付けをもっとしっかりしてほしかった。(なぜ刑事や元刑事の人格が生まれたか、なぜ娼婦の人格が生まれたか、など)そうすることで伏線がさらに強固になり、実は全員1人の人間の人格の1つだった、というどんでん返しで驚けたと思う。
人格同士が初めから関わりを持っているのもなかなか理解し難かった。そのことが物語に作用するならまだしも。
それで、エドの休職の話や墓地の話は何の意味があったんだろう…
ただのミスリードだとしたら、それだけに留めずマルコムの記憶と紐づけたりして回収してほしかった。

前半のミステリーパートにも、回収されてないフラグめいたものがたくさんあり、それらを全て脳内世界の出来事だから、で片付けているのが少々腑に落ちない。

しかし尺も短いからか見て損した、という気分にはならず、特にサスペンスとして見ると普通に面白い映画だった。
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