馮美梅

カエル少年失踪殺人事件の馮美梅のネタバレレビュー・内容・結末

カエル少年失踪殺人事件(2011年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

田舎に住む5人の子供達。いつもと変わらない日常のはずだった。
1991年3月26日。突然消えた子供達…

親御さんたちと刑事たちの温度差が。そして大捜索、テレビでも特集番組をしてるけど、何だかなぁ〜。

変な霊媒師みたいなものに翻弄される親たち。そうしている間に時は無残に流れていく。

ソウルから事件のあった放送局に飛ばされるプロデューサーのカンジスン。ここでは今も子供達の行方を捜して池の水を抜いたりしている。ここでも、放送局の人たちとカンの思いの温度差が。そして、カンはこの事件を事実とは関係なく、ドラマチックに仕立てようとしていく。

警察はあくまでも失踪、カンは親の誰がが殺ろしたのではと、ファン教授の仮説に沿って取材を進めていく。

しかし、思うような結果は出てこないわけで。親たちの心はズタズタです。そして何よりも、親は子供たちは生きていると信じたいのに、カンはじめテレビもファン教授も子供達は死んでいることを前提にしていること。

その後も結局何の手がかりもなく月日が過ぎていく。台風が過ぎた後、山で人骨が見つかった2002年…警察は自分たちの操作の甘さを隠蔽しようと、死因を殺人ではなく、事故死にしようとする。

久しぶりに再会したカンとファン教授。しかし、ファンはあの頃と全く変わってない。お互い出世役のために被害者の両親たちを傷つけた。

鑑識の結果は、虐待されて殺されたのではないかと。カンは異動させられたパク刑事に会いにいく。
そして犯人は誰かと聞く。

実はパクは犯人を追い詰めるところまで行ったが、確たる証拠がないため、どうすることもできなかった。

カンは純粋にどうやって子供達が殺されたのか考える。そして、犯人と思われる人物の家に行ってみるカン。

1人で会いに行っちゃいけないよカン。犯人が目の前にいても、証拠がない、そして公式の死因が発表される。

それぞれの子供達と親の対面。
ジョンホの母に謝るカン。ジョンホの母もあの電話をジョンホだと嘘をついたと。子供達を忘れて欲しくなかったからと。カンは自分自身親となってようやく、彼らの思いを知り、自分のやったことの卑劣さを思い知る。

この時代の韓国、同じような未解決事件が多いね。何だか遠い昔の話のようなのに、ほんの20年ちょっと前のことなんだよね。これをみると、北朝鮮に拉致された人達、そしてその家族のことを思い出した。早く生きて再会できることを思わずにいられない。

演技派の俳優さんたちがたくさん出演していて、ジョンホの母を演じたキムヨジンさんのこういうセリフが極端に少ない役は初めてみましたが、素晴らしかった。パク刑事役のソンドンイルさん、カンジスンを演じたパクヨンウさん達の演技のおかげで、中だるみすることなく観ることができました。
馮美梅

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