キルスティン

質屋のキルスティンのレビュー・感想・評価

質屋(1964年製作の映画)
5.0
ハリウッドで初めてナチのホロコーストを描いた作品(らしい)。

ユダヤ人ソル・ナザーマン(ロッド・スタイガー)は、家族とともにナチの強制収容所に入れられ、この世の地獄を目の当たりにする。
「どんな人間もクソだ!」
「私は神を信じない。芸術も科学も政治も哲学も信じない!信じられるのはカネだけだ!」と言い切るソル。

本作で第14回ベルリン国際映画祭主演男優賞を受賞したロッド・スタイガー、冷淡で辛辣な男ソルを見事に演じています。

冒頭に映し出されるのは絵に描いたような幸せな家族の風景。
映画「蛍の墓」でせいたの回想シーン、海辺で日傘をさした母親が「せいたさ〜ん、せっちゃ〜ん、カルピス冷えてるよ〜」とふたりに声を掛ける場面とリンクした。幸せの中にそれは永遠には続かないと悟る悲しみが潜む風景。

町山さんトラウマ映画の内の一作品です。
映画ライターのなかざわひでゆきさんがブログで本作を分かりやすく的確に解説されております。

愛する美しい妻が自分の目の前でナチの兵士に凌辱され殺される場面は本当に屈辱的。これ以上の屈辱ありますか。

ロッド・スタイガーの老けメイクなのか若作りメイクなのかすごいな。
あ、そうそう、黒人のゲイ設定の人物も出てくるんです。どういう意味合いなんだろ。

25年後くらいに、レオ様ケイト嬢再々タッグで本作リメイクしてみてほしい。
主要女性人物3人いますが、どれをケイト嬢がするか…考え中です。
キルスティン

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