BOB

普通の人々のBOBのレビュー・感想・評価

普通の人々(1980年製作の映画)
3.8
ロバート・レッドフォードの監督デビュー作となった家族ドラマ。

平穏に暮らしていた一家が、長男の事故死をきっかけに崩壊していく。

「誰の責任でもない。結果がこうなっただけた。」

監督ロバート・レッドフォードの作品は初鑑賞。レッドフォード一人の功績でないことは重々承知の上だが、デビュー作でアカデミー賞4部門受賞って素直に凄い!

とても静かで真面目な家族ドラマ。
心情変化と家族の歪みが丁寧に描かれていた。次男コンラッドの兄に対する罪悪感からの解放と、母親との関係性の修復が2つの大きな柱だと思っていたので、夫婦関係にまで話が及んだのは驚きだった。3人の選択に、胸が張り裂けそうになった。自分が歳をとり、親の立場になると、より深く味わえる作品だと思う。

兄を失った悲しみと事故を防げなかった罪悪感から自殺未遂をした次男。より愛情を注いでいた長男を失い、次男に優しく接することができない母親。二人の仲を何とか取り持とうとする父親。"離れる"という、一見無責任に思える母親の選択も理解はできた。

『普通の人々』というタイトルがとても良い。ごく普通の人々、ごく普通の家族。家族神話の崩壊がテーマか。

"I love you."の一言と、『パッヘルベルのカノン』♪が持つ力の大きさを痛感。

主役のティモシー・ハットンと母親役のメアリー・タイラー・ムーアは、撮影前に身内に不幸があったそうで、そのことも少なからず作品に影響を与えていると思われる。

🎬『アメリカン・ビューティー』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

"Well, don't admire people too much. They'll disappoint you sometimes."

"Feelings are scary. And sometimes they're painful. And if you can't feel pain, then you're not going to feel anything else, either."

250
BOB

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