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普通の人々のsnatchのレビュー・感想・評価

普通の人々(1980年製作の映画)
4.0
あまりにも繊細な家族への描写が静かに沁みわたってくる……私たちと同じ普通の人々が、ある日突然一生消えない傷を負う。映画が進むに連れ、息子、父の中に自分が同化してくるほど、丁寧に丁寧に監督ロバート・レッドフォードは心の中を深掘りしていく。
息子を演じた二十歳のティモシー・ハットンの表情感情は、何度も彼の苦しみと喘ぐ心が私の胸中に迫ってきた。独りで葛藤する彼と彷徨うしかない父親に、心のつっかえ棒が外せるようにと耳を傾ける1人のセラピスト。この人がそばにいてよかった←「旅立ちの時」のリバー君のお父さんを演じた父性感の強いジャド・ハーシュさん。母親も吐露できないのかと思ったが、彼女は1ミリも動かない、動けない。

母親の心理は一番えぐく解きほぐされないままに終わる。なぜ、ほんの少しでもいいから触れてあげられないのかと思うが、終幕すると、彼女の永遠に続く失った悲しみ、凍ってしまった感情もわかってくる。
孤独に老いていく彼女が、遠いいつの日か、家族からか彼女から家族に助けを求められたらいいのだが…と本当に思う。

最近観た数本の映画も様々な家族の形や問題を描いていた。家族ほど変化し複雑で残酷でもいて、支えとぬくもりの希求も止まないのは一緒だった👨‍👩‍👦‍👦
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