三四郎

正義だ!味方だ!全員集合!!の三四郎のレビュー・感想・評価

4.5
なかなか深い科白が多く、思わず涙するシーンもあった。さすが瀬川昌治監督。全員集合シリーズはバカバカしくてやりすぎていて笑えない作品ばかりだが、脚本・監督が違うとここまで違うかと思わせる秀作。
諺や格言だけで世の中渡っていけるわけではない…正直に誠実に生きていくことがいかに困難かバカを見るかを語っている。
そんな世の中で教師である厳しい母親の訓え通りに生きようとした真面目で正直だが警察官の試験に落ち自殺を考える息子役の加藤茶。
まず母の平手打ちに息子を思う愛情を感じうるっときた。
型にはめた教育、教育方針のいきすぎ、世の中ひとりひとり違う。一つの型にはめて人を判断してはならない。母は逆にチンドン屋いかりや長介に説教されて大切なことに気がついた。外へ出て行く母、追いかける息子。母を追い駆け暗記している母の訓えである諺・格言を肩越しに一所懸命云う息子。まるで「お母さんは間違ってない、僕がだらしないからいけないんだ、期待に応えられないからダメなんだ」と言うように…。そこで母は立ち止まり、優しく広島弁で息子に語りかける。息子の成長を見ようと広島から訪ねて来た母。ここから始まる母と息子のシーンに涙涙。涙なしには見られない母の息子への思い。

「聞かんといてください、恥になりますけぇ」など、全体的になかなかの広島弁だった。微妙に違ったりするけど笑

ラストはサイレント期のドタバタ喜劇、チャップリン的演出で盛り上げる笑
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