約20年前に観た映画。
ほとんど慟哭に近い感じで涙を流して観た記憶がある。
しかし、20年経過して、冷静になった頭でもう一度観てみると、この作品はとても残酷だと気づく。
何が残酷か? それは主人公の立場になってみれば分かる。
何しろ、奇跡の力を持った男を、電気椅子に送ってしまったのだ。その代償として、彼は贖罪の日々を送らねばならなかった。愛する者の死をたくさん見てこなければならなかった。その苦しみは想像を絶するに余りある。
「人は誰しもグリーンマイルを歩いている。しかし、そのグリーンマイルが私には遠いように思えるのです」
この台詞にすべてが集約されている。彼の苦しみはいつまで続くのだろうと思うと、暗澹たる気持ちに駆られる。