竜平

グリーンマイルの竜平のレビュー・感想・評価

グリーンマイル(1999年製作の映画)
4.4
とある刑務所を舞台に、送り込まれてくる死刑囚とそこにいる看守たちの間で起こる問題、そして目の当たりにする「奇跡」を描く。フランク・ダラボン監督が贈る言わずと知れた名作ヒューマンドラマ。

これまた何度も見てるんだけど、いつ見ても心に響いてくるよなと、改めて感じたりして。上映時間もなかなか長いのに、そんなの気にならないほど見入ってしまう不思議。どのシーンも印象深くて、久しぶりに見てもちゃんと記憶に残ってるという、これって何気にすごい。今作は感動モノとして広く知られてる気がするんだけど、改めて気づくのはわりとショッキングで痛ましい内容でもあるということ。胸にダイレクトに突き刺さってくる感じ。看守による嫌がらせとか、救いのない人間模様とか、可哀想で見てられないシーンもしばしば。また待っている結末というのも、これは原作のスティーヴン・キング節でもあるのかもしれないけど決してハッピーエンドとは言えないという、このただのほっこりでは終わらせない作風もじつは名作たる所以なのかもなんて。トム・ハンクスを筆頭に、デヴィッド・モースやサム・ロックウェルや、今は亡きマイケル・クラーク・ダンカンの名演も素晴らしい。そうそう、今作でやっぱり大きいのは囚人「ジョン・コーフィ」の存在。いや体の話じゃなくて。そんでコーヒーとはスペルが違うんだよね、うんうん。彼の正体やら何やらというのは想像におまかせ、はたまた「察してね」というところだと思う、そこは正直どうでも良くて、彼が起こす奇跡の数々、そこにあるいくつかの真実というのをこちらがどう受け取るか、なんだろうなと。芸達者なネズミ、通称「ミスター・ジングルス」の存在なども含めて、考察する余地ありあり。信仰心などが強い人からしたら、今作はまた違うニュアンスになるのかも。

何はともあれ、一生に一度は見てほしい、心打たれる一本。患ったことはないんだけどもハンクス演じるポールの序盤の病気がマジで痛そう、男ならちょっと想像がつくんじゃないかなと。治ってよかったね本当に。
竜平

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