洋画好きのえび

グリーンマイルの洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

グリーンマイル(1999年製作の映画)
4.0
スティーブン・キングの小説『グリーン・マイル』の映画化作品。3時間と長丁場な作品だが、観終わったらあっという間だった。それぐらい、脚本と出演者の演技が素晴らしい。普通のおじさんを演じさせたら右に出る者はいないトム・ハンクスと、原作から抜け出て来たとしか思えないマイケル・クラーク・ダンカンの名演技が光る。
原作は文庫上下二巻と読みやすい量なので、ご興味ある方は是非ご一読あれ。

大恐慌時代のアメリカで、死刑囚のみを収監する死刑囚舎房の看守として働くポール・エッジコム。彼と彼の同僚の仕事は、死刑執行まで死刑囚達を監視すること、そして、実際に電気椅子で死刑を執行することだった。ある日、彼らの下に、見上げるような巨漢で筋骨隆々の黒人の死刑囚が移送されてくる。彼の名はジョン・コーフィと言い、見かけとは違い非常に大人しく穏やかで、知能もあまり高そうではなかった。しかし、裁判所によると、彼の犯した犯罪は、幼い少女二人を強姦して殺害したという凶悪なもので、被害者二人の遺体を抱えていた所を逮捕されたのだった。ジョンは事件について、「元に戻そうとしたが間に合わなかった」とポールに語るのだが…

キングの刑務所ものとしては、映画化された『ショーシャンクの空に』も有名だが、『ショーシャンク〜』が受刑者の視点から人間の尊厳を描いた作品であるのに対し、本作は、法律に基づいているとは言え、人の命を奪う刑務官の視点から人間の尊厳を描いた作品である。
法を根拠とし、法によって権限を与えられているとは言え、人の命を奪わなければならないポール達刑務官が抱える葛藤。職務とは言え、毎日会話し、面倒を見ていた相手の命を自身の手で奪わなければならない。刑務官と死刑囚という特殊な関係ではあるものの、ポール達と死刑囚の間には、信頼や友情のような感情があるように見えた。それでも、死刑囚達が誰かの命を奪った重罪人である事実と、ポール達刑務官が死刑囚の命を奪わなければならないという事実は変わらない。そして、ジョン・コーフィに至っては…
劇中でポールが部下のパーシーに言う「命を奪うという自身の行為から目を逸らすな」という言葉が、本作の大きなテーマなのだと思う。

自身の行為の責任を問いながら生き続けるポール。彼が歩くグリーン・マイルは、あとどれだけの距離があるのだろうか…