【ポトシで起きた殺戮について】
K's cinemaにて開催中のウカマウ集団60年の全軌跡にてチェ・ゲバラ映画『人民の勇気』を観た。チェ・ゲバラは晩年、ボリビアで革命を指導していたことは知っていたが今や世界遺産のポトシで活動していたことは知らなかった。そして本作は壮絶なポトシの歴史を語る一本であった。
かつて、世界の銀産出量の半分を算出していたポトシ。政府軍が遠くから『ワイルドバンチ』がごとく市民を撃ち抜く殺戮から物語が始まる。チェ・ゲバラ率いる部隊との連携を企てる人民が必死の抵抗を行う。
ロングショットで建物に侵入する者を描き、狭い通路で銃撃戦が行われる。ゴヤ「1808年5月3日、マドリード」さながらの処刑が行われ、ポトシの地は血塗られていく。生き残った者の証言により生々しく再現される惨劇が強烈であった。