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ショック集団のmat9215のレビュー・感想・評価

ショック集団(1963年製作の映画)
4.0
KKKの頭巾をかぶる黒人の姿にガツンとやられる。スパイク・リー『ブラック・クランズマン』など足下にも及ばない。『偉大なるアンバーソン家の人々』や『狩人の夜』を手がけたスタンリー・コルテスが一つ一つのショットに気合いを込めて撮影している。寄りと引きのショットで顔の影とか表情が違っていて、ショットのつなぎはぎこちない。インパクトのあるショットのぎこちない連鎖が悪夢のような時空を形成している。ヒロインのコンスタンス・パワーズが披露する歌と踊りは、本作と同時期に製作された『裸のキッス』オープニングの坊主頭と同様に、観る者の意識に刻み込まれ悪夢の中に登場するだろう。

本作は1990年頃にアテネ・フランセでサミュエル・フラー作品が特集上映されたときに観た。『拾った女』、『東京暗黒街 竹の家』、『ホワイトドッグ』、『ストリート・オブ・ノーリターン』。もしかしたら、『ストリート・オブ・ノーリターン』上映前のトークインに登場したフラー本人を目撃しているかもしれない。『気狂いピエロ』や『ラスト・ムービー』のフラーの姿は鮮やかに記憶しているが、この目で生身のフラーを観たかどうかの記憶はあいまいだ。悪夢に現れることもない。
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