カルダモン

ショック集団のカルダモンのレビュー・感想・評価

ショック集団(1963年製作の映画)
4.4
『ショック集団』という邦題のインパクトに惹かれて。タイトルから勝手に想像していたのはキテレツな集団が「世も末じゃ!」とか言いながら暴れまわる映画だったのですが、まったく違うお話でした。

主人公はピューリッツァー賞の獲得を目論む新聞記者の男。名を上げるため、とある精神病棟で発生した殺人事件の真相を探るべく恋人のキャシーと共に一芝居打ち、自ら患者として精神病棟に潜入し捜査する。
病棟で出会った目撃者たちは当然ながら精神を病んでいる患者。唐突にオペラを歌い出したり、ベトナム戦争が続行していると思い込んでいたり、女性軍団にレイプされそうになったり、まともな会話が成り立たない。このあたりのあと少しで真相に届きそうな歯痒い感じ、いいですね。最終的にはどんどん精神病棟に取り込まれていって。


基本はモノクロなのですが、ほんの何シーンがだけカラー映像が差し込まれてギョッとしました。しかも日本の有名な観光地!なんぞこれ?観ているこちらの精神まで揺さぶってくるので、だんだんと主人公の体感が自分の中に入ってくる感覚。

病棟の暗い廊下が水浸しになるというイメージが強烈。