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ソドムの市のparaのレビュー・感想・評価

ソドムの市(1975年製作の映画)
3.6
パゾリーニ監督の遺作。
悍ましいことで有名過ぎて今まで敬遠していた作品。
サド侯爵の原作未読。

世間から隔離された館の中で過ごす、倒錯した異常性愛者たちと彼らの餌食となった少年少女たちの日々。

パゾリーニはかなりの風刺を込めたらしいが、
ナチス、ファシストのテロップが冒頭にあるため、独裁者に支配される喩えなのか、等
そこを深読みする前に画の力に思考停止に陥ってしまい、ただただ繰り広げられる痴態を眺めてしまった。
嬉々として演じていた大人たち(俳優)は精神的ダメージはなかったのだろうか?

再見はないが、それでも単に悪趣味と片付けることが出来ない意図的な演出は伝わってきたし、嫌いではない。
異様な世界と真逆の優雅なモリコーネの音楽がなんとも表し難い気持ちにさせる。

本映画出演の少年がパゾリーニ殺害の容疑者として最初に捕まったのは知っているけれど、どの少年だったのだろう。
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