いしすー

異人たちとの夏のいしすーのレビュー・感想・評価

異人たちとの夏(1988年製作の映画)
4.1
お盆の時期、死んだはずの両親と再会し、また交流を重ねるようになる話。

パッと見、感動の親子モノの体裁をしているが、正直ものすごく怖い。しっかりホラーだ。両親は自分たちが死んでることに気づいてるのに、全く普通の生活を送ってるし、自分たちの死んだ歳を追い越した息子を、当たり前のように歓迎する。この些細な違和感は次第に薄ら寒さへと変わっていく。

それらと並行して、主人公がマンションで出会って仲良くなる女(名取裕子)も、一体どこから降ってわいたのかわからないようなヤツで、たまらなく不気味だし、もうワケがわからない。

クライマックスでは、信頼していた人の裏側を垣間見てゾクッとするような感覚に襲われる。「鶴の恩返し」や「雪女」にも似た切なさも。良いジャパニーズホラーは切ないんだ。「仄暗い水の底から」然り。

ということで片岡鶴太郎はヨガ芸人なんてやめろ。役者をやってくれよ。なに油を売ってんだ。
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