KazutoshiArai

ローズのKazutoshiAraiのレビュー・感想・評価

ローズ(1979年製作の映画)
3.7
1960年代のアメリカで、ロックシンガーのジャニス・ジョプリンをモデルにした映画。

自分こと好きって思えないんだろうなあ、、今の自分を見て、認めて欲しくて「私はローズよ!」って叫んでしまう、身勝手で甘ったれで薬漬けの女。

ステージの演奏をかなり長い尺取っているので、主演のベット・ミドラーの歌声を堪能できます。彼女自身グラミー賞を3回受賞しているシンガーで、ステージのパフォーマンスは圧巻。

スクリーンの前で観てて、すげえ、、って鳥肌が立つ瞬間に、スクリーンの中でも関係者が自分と同じ表情をしているショットが写され、すごく共感できて気持ちがいいです笑

それが一歩ステージを降りると、スターなんだよね?って思っちゃうくらい、周りのことを顧みず、超人間臭い。

キレて暴れて叫んで泣いて、寂しくては泣き、喜んでは駄々をこねる。殴って謝って途方に暮れて、I can’t make it by myself...って身勝手にもほどがある笑


今の日本からすると全然想像がつかないけど、1960年代のアメリカってベトナム戦争とかヒッピー文化の時代で、より自然に回帰した振る舞いとか、ロックの自由と愛を求める思想とかが受け入れられ広まっていった時代で、これだけ化粧ぐちゃぐちゃにして泣いて男と喧嘩してサウナに入って、道のまんなかにクルマ停めてほうっておいたりしても別によくて(良くはないけど笑)、絶大な人気を誇るミュージシャンにかわりはない。

求められてたものがぜんぜん違うんだなあ、、って。完璧な人間像を求めているんじゃなくて、彼女の歌が好きっていう、そこが一番の衝撃。

やっぱり最後のステージのシーンがいい。スタジアムでマネージャーと言い争うあたりからその直前までのやり取りを全部辿って聞くStay with meは格別です。スピーカーとかヘッドホンを通して聞いてほしい。