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座頭市のkaz666のレビュー・感想・評価

座頭市(1989年製作の映画)
4.0


≪日本の夜明けについての映画論≫


皆さま、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。



映画はたくさん見てるのに、めったにレビューを書かないのですが、みなさん新年からいいレビュー書いてるので触発されてみました。
日本の夜明けということで
この作品をチョイスしてみました。


昔から、必殺とか、座頭市とか刀で悪玉を抹殺していく特撮が好きで
この作品は、勝新が座頭市を演じるラストの作品です。

座頭市シリーズでこれが一番いいか?と聞かれたらこれではないのですが、
この作品が一番ダイナミックでフレキシブル。なおかつ、レンタルショップに間違いなく置いてるってことで
チョイスしてみました。

幕と幕の繋ぎ目とか、中盤に流れるテーマソングとかだいぶダサいし、勝新の声がこもりすぎて、ほとんど聞き取れないけど、やっぱりカッコいい。
これは勝新監督なんで、勝新がいいとこ持っていくんは仕方ないんやけど、
威風堂々とした存在感と佇まい。
今は淘汰された言葉ではある、≪めくら≫ならではの、ふらふらとした歩行。そこからの刹那的な太刀。
子供と、かよわい女性を愛する優しき盲目の侍。座頭市。
ワンピースでお馴染み、海軍大将・藤虎イッショウの元ネタです。てか、まんまです。
勝新以降、何人かが座頭市を演じたがこれこそがオリジナル。
これだけが座頭市なんです。

相手が鞘から刀を光らせれば
抜く前に抹殺する。
その速さたるや、まさに刹那。
「先に刀抜いたのはそっちですから」
と、一蹴。
強さの証明はここにあります。
言葉の重みと、説得力。
説明なんて何にもいらない。
座頭市の前で刀を抜いたらあの世行き。単純明快。

ラストでの1対100のアクションシーン。
立ち塞がる人たちを次々と抹殺していきます。
杖に隠された仕込み刀を逆手で握り一閃。
太刀筋が滑らかで、まさに極みです。
ジャッキーや、イップマンや、ザ・レイドなんかで苦戦を強いられるシーンはよく目にするが、
座頭市にそんなシーンはない。
どんな強者も一瞬であの世に送ります。カッコいい!
ゾクゾクする。たぶん相手は斬られたことに気づいてないはず。
出演者もめちゃくちゃ豪華。
絵師の浪人役で登場する緒形拳がカッコいい。
まあ、座頭市もっとカッコいいけど。

「俺は見て見ぬふりだなあ」


「こっちは見えないのに、贅沢だなぁ」