猶木葵

ギター弾きの恋の猶木葵のネタバレレビュー・内容・結末

ギター弾きの恋(1999年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

【あらすじ】
天才ジャズギタリストのエメットは、酒に女に奔放で自堕落な人生を送っている。銃でネズミを撃つことと汽車を眺めることが好きな超変人。
口のきけない女性ハッティと付き合うようになる。最初のうちは遊びのつもりであり、冷たく接するエメットだったが、一途に自分を愛する彼女に次第に惹かれていき、そのまま一年以上生活を共にすることとなる。しかし、奔放な性格で一所に居られないエメットは突然彼女の元を去ってしまう。
その後、ハッティとは真逆の麗々しい女性・ブランチに出会いそのまま衝動的に結婚。彼女は小説家であり、常に執筆のネタやほかの刺激的な男を求めていた。二人の間に愛には乏しく、ギャングの用心棒との不倫をきっかけに別れる。
暫くしてエメットはハッティと再開、自分とやり直さないかと声をかけるも、ハッティは既に結婚しており子供までいた。傷心のエメットはその晩、踊り子を無理矢理に連れ出して汽車を見に行く。エメットはギターを弾きはじめるが、踊り子は早く帰りたいと言うばかりで全く興味が無い様子。苛立ちが隠せないエメットは「俺が間違ってた」と数回叫んだ後、ギターを叩き壊して号泣、その場にうずくまるところでエンディング、その後の彼の消息は誰も知らないと。

【感想】
ハッティは汽車を眺める時やギターを弾く時、ブランチのように質問攻めにすることもないし、踊り子のように文句を言うこともない。ただうっとりと一途にエメットに寄り添う。ブランチや踊り子との関わり方を通してハッティと別れたことをさらに後悔しているんでしょう。
我儘で自分勝手なエメットだが、ハッティの結婚と出産を知るシーンでは自分の気持ちを押し殺して祝福してあげようという彼の優しさを感じた。
ブランチはエメットの演奏について、自分の感情を表現していないと分析をしているが、最後のシーンで奏でられたギターの音色は、彼の悲しみがひしひしと伝わってきた。
猶木葵

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