Azuという名のブシェミ夫人

ギター弾きの恋のAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

ギター弾きの恋(1999年製作の映画)
4.3
ショーン・ペン演じるエメット・レイは自称世界で2番目の天才ギタリスト。
音楽を愛しているけど、生活は自堕落。
女遊びも大好きな彼が、ある日友人とナンパに出かけ、話すことが出来ない女の子ハッティと出会う・・・。

まるで実在人物の伝記映画の様だけど、完全なるウディ・アレンの創作です。
彼の映画は好きなのとピンと来ないのとの差が激しいのですが、この映画は好き。
サマンサ・モートン演じるハッティが、純粋で気取ってなくて、口にいっぱい詰め込んではモグモグ食べるのがとてもキュート。
エメットもそんな彼女に少しづつ心を開いていって、その様子が微笑ましい。
ジャケットになってる月に座ってギターを弾くシーンのショーン・ペンも可愛くて好きです。

『後悔先に立たず』『覆水盆に返らず』なんて諺もあるように、こういうのは昔からのあるある話なんだけど、やってしまうんですね。
英語でも"It's no use crying over spilt milk."『こぼしたミルクを嘆いても無駄』って言葉があるそうで、全世界共通か。
大事だと分かったのは失ってから・・・自分が悪いんだけど、やっぱり切ないな。
ショーン・ペンのあの演技が心を締めつける。
あーーーこれは辛い・・・見ていられないってなる。
女性はなんだかんだ強い。
男性の方が結構後に引きずるって言いますけどね、どうなんでしょ。

ギターの音色が染みこんでいく。
なんだかノスタルジックで、ちょっとほろ苦い。
月の綺麗な夜にしんみりと。