みおこし

バイ・バイ・バーディーのみおこしのレビュー・感想・評価

バイ・バイ・バーディー(1963年製作の映画)
3.9
AmazonでGETした掘り出し物ミュージカルたちをご紹介!これまたなんで知名度が低いのか疑問の傑作を見つけました。『グリース』『ヘアスプレー』『ウエスト・サイド物語』でピンと来た方は間違いなくハマるはず。

超人気ロック歌手のバーディーが戦争に召集されることになり、町中の女の子たちは大パニック。徴兵前最後の出演ということで、国民的番組のエド・サリヴァン・ショーでファンの中から、バーディーとキスできる権利がもらえる懸賞に当たった女子高生キム。狂喜乱舞する一方で、ボーイフレンドのヒューゴはそれを気に入らない様子だが...。

ニューオリンズ出身のアメリカ人の友達オススメの一本!観る機会に恵まれずついにDVDを買ってしまいましたが、大満足の傑作!毎年恒例のNBCの生放送ミュージカルは今年はジェニファー・ロペス主演で、本作をやるんだとか。楽しみすぎますね!
とにかく冒頭から60'sのポップな世界観ど真ん中。'The Telephone Hour'という楽曲が全てを物語っていますが、カラフルな原色の衣装に身を包んだティーンエイジャーたちがロックンロールにのせて元気に歌い踊る様子はとにかく圧巻。昔からティーンは長電話する生き物だったんですね...(笑)。
画面を効果的に使った色使いは『ウエスト・サイド物語』を彷彿とさせるし、ティーンが主役の50's〜60'sが舞台のミュージカルという意味では後の『グリース』『ヘアスプレー』にも間違いなく影響を与えているだろうなと容易に想像できました。
本作の主役とも言えるアイドル、バーディーはプレスリーをモデルにしていて、実際に1957年の彼の徴兵騒動のことをモチーフにしているんだとか。

主演のアン・マーグレットが本っ当に可愛らしい!まさに60年代を生きるオシャレな女の子というイメージで、着ている衣装から歌声、表情までキム役にぴったり。後年、『トミー』でトミーの訳ありの母親役を体当たりで演じるとはとても想像つかない清楚なヒロインっぷりでした(笑)。
'How Lovely to Be a Woman'のシーン、カラフル&お花だらけのお部屋の中で天真爛漫に歌うキムの可愛さったらもう言葉になりません。このDVDジャケットがそもそも素敵!
ジャネット・リーとディック・ヴァン・ダイクも難しいダンスがたくさんある役で、彼女をぶん投げてかなり不安定な位置でディックが受け取る見せ場もあるのでお見逃しなく!
...一方のバーディー役は暑苦し過ぎたけど、みんな女子高生が失神していて爆笑(笑)。

これだけで60年代当時のポップカルチャーを思う存分堪能できるし、内容もどこまでも超お気楽で最高!調べたところ、監督は『アニーよ銃をとれ』『ショウボート』『キス・ミー・ケイト』など多くのミュージカルを手がけたジョージ・シドニーなんだそう。1940年代くらいから時代に応じて、楽しい作品をたくさん作っている巨匠なんですね。
レンタルはしてなさそうなので、Amazonでの購入をオススメします。ミュージカル好きは一度は必見、その価値が十分にある名作!
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