みおこし

めぐり逢いのみおこしのレビュー・感想・評価

めぐり逢い(1957年製作の映画)
3.5
立て続けにゾンビがサッカーしたり、覆面男が可愛こちゃんの目元に針付きセロハンテープを貼り付ける映画を観てしまったので、お口直しに往年の名作を。(笑)

本当に'30〜'60年代の映画って、粋なセリフと上品な演出、吸い込まれそうな美しさの男優と女優、心が洗われますね。衣装はイーディス・ヘッドのデザインかな、と思って調べたら全然違う人だったけどデボラ・カーのドレスがどれも本当に可愛らしくてファンになりました。

偶然ニューヨークへ向かう客船で出逢った超プレイボーイのニッキーと、元歌手の聡明な女性テリー。瞬く間に恋に落ちた2人は半年後にエンパイアステートビルでの再会を誓う。しかし、お互い婚約者がおり...。
ベタなんだけど、ものすごく共感できたし、「浮気やん!」とツッコミを入れたくなるものの好きになっちゃったんだから仕方ないよね。デボラ・カーのあの愛くるしさ、ケーリー・グラントの紳士っぷり、もうお互い恋に落ちないわけがないですよ(笑)。再会のために全力で急ぐテリー、好きな人に久々に会う時ってついつい焦っちゃうよねうんうん、って感じ。一番個人的に胸キュンしたのは、船を降りた別れ際テリーが彼氏とハグしてる時に、ニッキーが後ろから自分の指にちゅってしてテリーの手にそれをペタってするやつ。あんなクサいことをさらっとやって許されるのは、ケーリー・グラントとグレゴリー・ペックぐらいですよ!(笑)

音楽も透き通るように綺麗だったし、一つ一つが本当に丁寧!結構焦らしてくる描写が多くて、「言えばいいじゃん!!」「素直になりなよ!」って何度か画面に向かって叫んだけど、でもまたそのいじらしさが古い映画の良いところだったり。
最後はおもわずホロリ。名作はいつまでも名作だなあ。

監督がレオ・マッケリーなので、全体的にややキリスト教倫理が色濃く見て取れた気がしました。
あと、もうテリーの婚約者のケンが良い人すぎて観てて辛くなりました。テリーは幸せ者だなあ。
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