「日曜日がまだ終わってほしくない」という気持ちにぴったりな映画だ。
ご都合主義だし、ステレオタイプだし、登場人物全員気の毒なのだけど、なんだかんだ“映画らしい映画”と言えるかもしれない。僕にとっての映画原体験に近いからだろう。10歳にも満たない頃、『マスク』みたいなコメディを両親に観せてもらって喜んでいた記憶が蘇ってきた。
「山奥にいる殺人鬼」のステレオタイプを利用する展開は、道中の買い物シーンも含めて“あるある”としておもしろかったし、すれ違いコント的展開も意外と飽きなかった。
そしてコメディは高確率でヒューマン展開がオチに来るわけだが、笑わされたあとだとなぜかちょっとジーンときちゃうんだよな。たいしたバックボーンもないのに。感情って不思議だ。