ノッチ

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツらのノッチのレビュー・感想・評価

4.5
山奥に別荘を買ったオッサン2人組(タッカーとデイル)は休日を楽しく過ごそうと、別荘を訪れる。

呑気に楽しく釣りを楽しんでいた2人だが、近くでキャンプしていたアホな大学生集団の一人が溺れていたのを助けた事をきっかけに、他の連中に凶悪殺人鬼だと思われてしまう。

何の悪気も無く、ただ大学生を助けただけの気のいいオッサン2人なのだが、大学生連中が友達救出作戦を立てて次から次へと攻撃をしかけてきて・・・ 

グロい場面は多いけど勘違いから生まれる噛み合わない両者の行動に笑えるスプラッター・コメディー映画。 

スプラッター系はコメディ調なものも意外と多いですが、この作品はまさしくその王道をいった感じ。

勝手に自滅して行く大学生達の逆【ファイナル・デスティネーション】っぷりが最高に笑える。

昔のドリフに通ずる物があるかも。

何かと『ショーン・オブ・ザ・デッド』の再来とかいう売り文句が飛び交う中、これはまさに!って感じです。

秀逸な予告編のとおり、殺人鬼を返り討ちにしようとして勝手に死んでいく若者達がシュール。

何と言っても、殺人鬼(だと勝手に思われてしまっている)タッカーとデイルの視点と、大学生たちの視点の両方をうまくコントロールして描いているのが秀悦で、そのアイデアが優れものすぎます。  

いろんなホラーのオマージュシーンもたっぷり。

あやまって蜂の巣をチェーンソーで切ってしまったタッカーが、蜂に襲われながらチェーンソーを狂ったように振り回し、それを目撃した大学生たちがビックリして逃げ出す、『悪魔のいけにえ』な場面は、最高にバカバカしく笑えます。 

ホラーに定番の都会の大学生達に過去に残酷な事件があった森での別荘。

もうね、ホラーの定番中の定番を真逆でされるから、「もしかして、ジェイソンも良い人だったとか~」なんて思ってしまう。 

笑いとグロに走るだけでなくスラッシャーで大事な魅力的な女性も忘れない。

ヒロインがとてもキュートで魅力的に描けています。 

大学生たちの中で唯一、マトモな感性の持ち主なのですが、目指している心理カウンセラーのスキルを実践しようと奮闘するシーンがシュールすぎます。

喜劇と悲劇は紙一重。 

笑える映画だが、偏見というものの怖さがすごく伝わってくる。 

実際知らない人間は怪しく見えるし、その言葉も簡単に信用できるわけもなく。

人が死んでしまえばまとまる話もまとまらないわけで。

パニックは拡大していく展開にならざるをえない、と。

現実でもチェーンソーもって振り回されたら…まず逃げますし。

「俺みたいな男が君みたいな子に話しかけたら殺されるって知らなかったんだ」 って台詞で泣く。

B級映画かと思いきや一級のエンターテイメント映画。