サンヨンイチ

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツらのサンヨンイチのレビュー・感想・評価

3.5
マイナーな演者ばかりの
B級映画ですが、
ちゃんと受け取れるメッセージもあって
隠れ名作ではないでしょうか。

冴えない男臭い二人組のタッカーとデイルは
長年の夢だった別荘での休暇を過ごしていた。
他方、同じくキャンプに訪れた大学生グループは都市伝説に聞くような怪しい男二人組を訝しんでいた。
そんな夜、川で溺れている女学生を救ったタッカーとデイルの姿を遠目に見たグループは猟奇的殺人鬼の饗宴が始まったとパニックに。
救出と逆襲を試みるが、そんな誤解に気付くはずもなく、両陣営の思惑がすれ違ってゆく…。

序盤からはっきり描かれる
人は見た目で判断するべきではない、
というルッキズム批判が
終始繰り広げられていて
敵味方で思想のバトルになっていくのが意外性あり。

味方となる女学生も
自分を見た目で判断してほしくない、と主張していたが、
実際は自分もタッカー達への偏見を持っていた事に気づきます。
学生のリーダー・チャドのような極端なルッキズムではないものの、
必ずしも善人が偏見を持っていないとは限らないという多方向性に
こちらも考えさせられるものがありました。


とはいえ基本的には
サラッと笑える下らないコメディ映画です。
スプラッターものとして
苦手な人が見るには辛い程度に
ゴア描写もありますが、
好きな人には物足りないか…?

得手不得手が別れる作品だと思います。