みおこし

タップスのみおこしのレビュー・感想・評価

タップス(1981年製作の映画)
3.5
長い伝統を持つ陸軍幼年学校のバンカーヒル・ミリタリー・アカデミー。生徒たちは誇りを持って厳しいカリキュラムを履修していたが、ある日陸軍学校は時代遅れだという点から理事会が閉校を決定する。衝撃を受ける生徒たちだったが、その日の夜に行われたダンスパーティーでとある少年の命が失われたことから彼らの閉校への反抗心が頂点に達するのだった…。

若き日のショーン・ペン、トム・クルーズが出演していることでも有名な本作。しかし、主役は『普通の人々』でアカデミー賞助演男優賞を獲得したばかりのティモシー・ハットンなので、あくまで2人はサブに回っている印象でした。とはいえ、特にトム・クルーズの役は最後の最後でキーとなる重要な役柄。あとは今もなお大活躍の黒人俳優ジャンカルロ・エスポジートも出ています。

自分たちの故郷がなくなる恐怖感、すごく分かります。それが母校ならなおさらだと思うので、生徒たちが一念発起して大人たちに反旗を翻すのはやや納得。子供ならではの正義感というか、社会への反骨精神というか、そういうものが蓄積してしまった”若気の至り”ともいえるのかなと。
ただ、本作はそんな彼らの行動が取り返しのつかない展開を招いてしまう恐ろしさも描いていて、勝手に80年代の青春映画だと勘違いしていたので、救いようのない展開にびっくり。若くして熱演を見せるメインキャストたちが後に大成するのも納得のシビアな展開でした。
何となく伝えたいメッセージをくみ取ろうとしてみたものの、それでもラストは切なさしか残らなくて、正直後味があまりよろしくない1本でした。

それにしても、ジョージ・C・スコットの存在感といったら...。どの映画でも強烈で、本作でも登場シーンは少ないながら圧巻です。
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