てづか

独立愚連隊のてづかのレビュー・感想・評価

独立愚連隊(1959年製作の映画)
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佐藤允さん、表情とか挙動がパキッとしてて観ていて気持ちが良かった。別にイケメンとか整ってるとかそういう意味ではなく、なんか顔の造形も良いなあと思った。佐藤允としての造形ができすぎ。好みで言えば中丸忠雄さんのほうが好みの顔なんやけどなあ。
昔の映画は役者の顔がいいっていうのは本当だなあ、とつくづく思う。

血と砂のときも思ったけど、岡本喜八さんは慰安婦をめちゃ明るく快活に撮るのが良いな〜と思う。全然嫌な感じがない。
慰安婦だけじゃなく、映画の雰囲気全体的に明るいんだけど。
でもなんか、だからこそなのか、この監督にとって戦争ってむなしいものなんだろうなっていうのは感じる。それでも希望を感じるラストがとても良かったけど。

西部劇とかミステリーとか恋愛とか、色んな要素が出てきて目まぐるしくて面白い。文字通り気が狂ってる三船敏郎も楽しい。あのちょっとの尺に全力な三船最高。


「どこへ行くの?」
「敵討ち!」

の言い方が爽やかで好き。

終盤の戦闘シーンは迫力あるし、バディ感もあってアガるシーンもあるし、すごく面白いんだけど自分以外全員死んでしまうラストは切ない。
それでも、生きててもしょうがないと言いながらも、差し伸べられた手を取って馬でかけてゆくラストの佐藤允のカッコ良さに泣いた。


追記
若い志願兵に「死んじゃダメだよ」って言う時の佐藤允さんの表情の柔らかさ。声のトーン。
軽く言うし、短いシーンだったからこそ思いがこもった台詞だったのかなと思う。
てづか

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