アタラクシアの猫

プレイス・イン・ザ・ハートのアタラクシアの猫のレビュー・感想・評価

4.0
未亡人エドナの意地と矜持。
強く生きる、と言う事は現実を見据えて糧を得る事。
「風と共に去りぬ」を彷彿とさせるような“時代”と共に生きるヒューマンドラマの秀作。
TSUTAYA発掘良品。

1935年テキサス州。
保安官ロイス・スポルディングが事故で死去。
残された妻エドナ(サリー・フィールド)
9才の息子フランク。妹ポッサム。
これまで家事と育児しかしてこなかったエドナは途方に暮れる。

そこへ仕事を求めにやってきた流れ者の黒人モーゼス。
パッと見ただけで40エーカーの畑で綿作りをすれば生計を立てていける事を教えてくれるが、流れ者は雇いたくない。
黒人モーゼスは、銀のスプーンを盗む。

銀行のデンビー氏は亡き夫ロイスの借金を伝えに来た。家の借金3600ドル。次の支払いに240ドル必要と。
家を売って姉を頼るか、オクラホマの叔母に娘を預けるか。
銀行のデンビー氏の提案は、当時の母子家庭なら妥当な選択肢だが、頑として肯(ガエ)んじないエドナ。

保安官がスプーンを盗んだモーゼスを連行してきた。
“お使いに頼んでいたのよ”とモーゼスを見逃し、それを契機に綿作りに本気で着手しようとするエドナ。

時は1930年の世界恐慌以降で、景気が悪い。
種売りの業者も、エドナを騙そうとするが、綿作りの達人モーゼスは種の良し悪しを瞬時に見抜く。
(KKKの跋扈する、当時の南部で、黒人が出しゃばるのは良くないので、あくまで控えめのモーゼス)

銀行のデンビー氏が生計の足しになれば、と下宿人を連れてきた。
盲目のウィル(マルコヴィッチの映画デビュー作)
若き日のマルコヴィッチの演技が素晴らしい!

綿作りは、けっして楽な仕事では無い。しかし一番最初に綿花を納入すれば「初荷」のご祝儀が見込める。

人手は少ない。畑は広い。業者は抜け目ない奴ばかり。
モーゼスが聖人君子のように献身的じゃない所も、人間臭くて良い。

ラストの聖体拝領のシーンは「人間万事塞翁が馬」の古事の如き感慨がある。