一人旅

プレイス・イン・ザ・ハートの一人旅のレビュー・感想・評価

5.0
ロバート・ベントン監督作。

【ストーリー】
夫を黒人に殺されたエドナ(サリー・フィールド)は2人の子どもと暮らしている。夫が遺した借金返済のあてがないエドナは、物乞いの黒人男性モーゼス(ダニー・グローヴァー)を雇い、綿花栽培を始める・・・。

苦境に直面しても己の力で乗り越えようと奮闘する一人の女性の姿を描いた人間ドラマ。

魅力的なのは、エドナとモーゼスの信頼関係だ。
夫を黒人に殺された過去があるにも関わらず、エドナはモーゼスを信頼している。綿花の種の売買交渉に関するモーゼスの助言をエドナはすんなり受け入れるし、モーゼスの綿花の摘み手としての才能を高く評価している。
エドナの目は一人の黒人を黒人全体として見ていない。個々の黒人それぞれの人間性を単一の判断基準として認識しているからこそ、人種差別とは無縁であったし、モーゼスを一人の人間同士、認め合うことができたのだと思う。

ラストシーンは幻想的で、この映画を撮った監督の強い願いとメッセージが込められているようだった。
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