tjZero

プレイス・イン・ザ・ハートのtjZeroのレビュー・感想・評価

4.2
1930年代のテキサス。
保安官の夫を殉職で失ったエドナは、幼児ふたりと売却の危機の家を守るため、綿畑を作り、一家を立て直していく…。

視覚の情報って、無意識でも外界から勝手に入って来るので、音を聴いたり、匂いを嗅いだり、噛んで味わったりする感覚よりも受け身に感じられがち。

ただ、本作のように優れた映像の場合、”眼のごちそう”となり、座面にもたれて浴びるというよりも、身を乗り出して”まばたきして画面を噛む”みたいな勢いで積極的に吸収したくなる。

自分も今回、疲れ眼でショボショボしながら観始めたんだけど、すぐに眼がシャキーンとして、5分位で早くも「あ~これは最後まで楽しめるやつだ」と実感して臨戦態勢で鑑賞。

名撮影監督ネストール・アルメンドロス(『天国の日々』、『クレイマー、クレイマー』など)による秀逸な映像美。
激しすぎる竜巻のシーン、綿花を摘む痛々しい収穫の場面など、主人公たちの苦難を切実に感じとれる。

映像だけでなくキャストも充実。
サリー・フィールド、ダニー・グローヴァー、ジョン・マルコヴィッチ、エド・ハリス、エイミー・マディガン…といった実力派が揃い、見応えのあるアンサンブルを構成。

彼らを束ねるロバート・ベントンの演出も、ガッチリと堅実で無駄なし。
農家版『風と共に去りぬ』とでも言いたくなる内容を、2時間以内で見せ切る”コスパ”の良さ。
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