◆あらすじ◆
1893年のロンドン、作家のH・G・ウェルズは友人たちを自宅に招いて発明したタイムマシンを紹介する。誰もが信用しない中、警察がウェルズの家に訪れて近隣で切り裂きジャックの事件があったと告げ、家内の捜索を行ったところ、友人のスティーブンソンの荷物から血にまみれた手袋が発見され、スティーブンソンが切り裂きジャックであることが発覚する。スティーブンソンはタイムマシンに乗って逃げてしまったため、ウェルズはジャックを追って未来へ行くのだが...。
◆感想◆
主人公がタイムマシンに乗って未来へ逃亡した切り裂きジャックを追いかけて未来へ行くストーリーとなっており、タイムマシンが絡む作品の定番である時代の違いに主人公たちがどのように理解して対応していくかという部分が楽しい作品となっていました。
H・G・ウェルズ(マルコム・マクダウェル)は実在のSF小説家ですが、本作では多彩な才能を持ち、タイムマシンまで発明してしまいます。彼のいる時代が1893年であることを考えればタイムマシンという存在が極めて斬新なものなのですが、本作ではそれがどのように開発されたかなどは描かれず、1893年の人間が未来の1979年に来たらどういう反応を示すかという点にのみ焦点が当たっているので、発明としての面白さはほとんど無かったように思います。
ウェルズの友人のスティーブンソン(デビッド・ワーナー)が切り裂きジャックという設定もなかなかぶっ飛んでいて、とにかく切り裂きジャックと未来で追いかけっこさせたいという制作側の意図が明らかで少し苦笑しました。
ウェルズとスティーブンソンが1979年現在のサンフランシスコにたどり着くのですが、ウェルズは銀行で受付のエイミー・ロビンス(メアリー・スティーンバージェン)の熱烈なアプローチを受けて恋人関係になります。一目惚れにもほどがある展開ですが、基本的にご都合主義なストーリーであることは序盤で分かったので、なんとなく受け入れました。
スティーブンソンがエイミーの命を狙う展開になってウェルズがエイミーを守ろうとする展開は平凡ながらウェルズの必死さが伝わってきて良かったと思います。
実在した小説家にタイムマシンを開発させて切り裂きジャックと未来で対決というストーリーの突飛さが良くも悪くも個性的でその部分では面白かったのですが、全体として見ると無難な作品で終わっていて、可もなく不可もないという感じで終わりました。
鑑賞日:2025年4月10日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2025年1月17日)