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座頭市御用旅のmitakosamaのレビュー・感想・評価

座頭市御用旅(1972年製作の映画)
3.3
座頭市シリーズも末期に入り、ココに来ての王道的マンネリ作品。
ヤレ用心棒だ、ヤレ片腕ドラゴンだと良くも悪くも奇を衒った作品が続いたので、ココに来ての原点回帰はやはり退屈に感じてしまうのは致し方無い。刺激強いのを求めたら普通には戻れないのよね。

今作はゲストに森繁。正義漢ある岡っ引き〜目明き〜として登場。目クラの市と目アキの藤兵衛という構造。考えたらこの目クラ・目アキの比較って今まで出てこなかったのが不思議だな。

冒頭で襲われた女の人の出産に立ち会う事になった市。母親が死に赤ん坊を連れて父親の元へ。この展開何度目だ???しかも出産したばっかりの赤ん坊にもう髪の毛が生えてる(笑)

しかし赤ん坊の兄には市が母親を殺されたと勘違いされる。さらに、赤ん坊の旦那、目明きの藤兵衛の息子からも仇だと勘違いされる始末。すれ違い悲劇って脚本は良いけど、3つもネタが被るのも脚本的に変だよなー。

赤ん坊の父親に会いに舞台を塩原へ。そこではちょうどヤクザの鉄五郎が乗り込んで無法を始めた所。タイミング良いなー。それはそれは世紀末のような無法っぷりだ。
この鉄五郎に三国連太郎。牢破りに続く出演だが、やはり折角なら役者は違う人で見たかったかなー。

さらに高橋悦史が演じる用心棒の伝十郎が登場。「強い奴と戦いたい」という如何にもラストに負けそうなフラグな台詞を決めるぜ。

気の迷いから捕まりリンチを食らったり、ラストの大立ち回りで火攻めにあったりと何気にピンチも多い。
今作では出店のダルマに潜って、獅子舞を着込んで戦ったりもする。樽に潜る系の面白チャンバラだが、コレを楽しんでるの勝新だけだったんじゃなんなかろうか…?
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