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座頭市御用旅のcatmanのレビュー・感想・評価

座頭市御用旅(1972年製作の映画)
4.0
1972年公開、シリーズも終盤の第23作。大映による60年代のプログラムピクチャー時代とは明らかに異なるソリッドな攻めの演出が面白い。浪曲師による口演とハードボイルド風味の若干いなたい劇伴とのアグレッシブな組み合わせをフィーチャーした幕開け、アバンタイトルからもうキメッキメ。タランティーノが好きそう。ディスクの仕様のせいなのかどうか分からないけど、いかにも70sのB級的なザラついた映像も凄くいい。
キャストは超豪華で、勝新×森繁×三国蓮太郎、これだけでも相当な見応え。例によって娯楽要素の詰め込み過ぎと座頭市が普通に正義の味方になってしまっている点はちょっと残念なんだけど、クライマックスの殺陣が全てを持っていってしまう。特に勝新が演出したと言うラストシーンは圧巻。物語的には完結した後に特に必然性も無く、ただただカッコ良く幕を降ろすためだけに付け加えたとしか思えない座頭市と高橋悦史による浪人との瞬時の斬り合い。ザッザッザッドーーーン!非常にモダンでアバンギャルド、勝新の映画的センスに痺れる
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