このレビューはネタバレを含みます
世界的アートディレクター石岡瑛子さんが美術監修を務め…そして遺作となった作品。
グリム童話のテイストも残し、ディズニーのようにコミカルで軽快なタッチに仕上げてありましたが、彼女に相応しい題材の物語だったんじゃないでしょうか。
美を追求し続けた石岡さんにとって、白雪姫の物語は特別な意味を持っていたはず。
多くの人に観られ、何かを残す…
寓話の力を借りたのかもしれませんね。
この物語の主人公はスノーホワイトではなくて『鏡の女王』なんだと思います。
女性の持つ願望…永く、美しくあること。
美とは何かを問う物語。
鏡の女王は嫉妬や執着、欲望の象徴。
美とは追い求めるものではなく。
自分の内側から引き出してくるもの。
でも、それを単にインナービューティとして片付けるのも…きっと間違い。
目に見える美も、内面が備わっていれば自ずと磨かれていくものだと思います。
「1ミリが世界を変える」
石岡さんの言葉。
それは彼女の仕事に向ける情熱でもあり、美意識の真髄でもあると思います。
どれだけ美しく着飾っていても、表から見えないインナーはダラけちゃっていたりすると…全てが台無しになる。
って、それは言い過ぎかな?(苦笑)
でもそれって…
『ここは見えないからいいや』
心の弱さが滲み出てると思いませんか?
それが『醜い』とまでは言いませんが…
その1ミリは…
ある決定的な部分を変えてしまう。
自分への絶対的な自信を欠いてしまう。
ほら、ダイエットだって…
明日から…なんて、よくあるでしょ?
その結末は…ポッコリお腹だったりねw
石岡さんにとって手掛けた衣装は全て、自分自身みたいなものなんだろうな…
指先の、爪の先まで行き渡った美意識。
その結晶。
いつもの豪奢なロココ調のドレスだけではなくて、白雪姫や小人のいるおとぎ話の世界観を飾る、可愛らしさも編み込んだ美しい衣装の数々…女の子たちが想い描くプリンセスの世界を創り出してくれていて、ウットリしちゃいますね✨(〃ω〃)
めっちゃ美しいッス!
石岡パイセン!(〃ω〃)
鏡の女王が主人公のこの物語は…
美を追求する上での反面教師ですね(笑)
求めるのが美であっても、執着する姿は美しくない。虫やら鳥のフンやらに塗れた仰天エステのシニカルなこと!
時は平等に、人から若さを奪っていく…
だから、いつもその時の自分を受け入れて、その自分のままで美しくあろうとする事が大事。
他者を顧みない者は美しくない。
行動にも、美は滲み出てくるもの。
結局は、自分との戦いなんだなぁ(´ω`)
それに打ち克ち、自信を勝ち得た者は…
きっと老いても尚…美しいのです✨
凛としたお婆ちゃんとか見ると…
身が引き締まるもんね。
石岡さんが、その仕事を通して観客に伝えたかった事が…この作品で完成して、心残りなくお務めを終えられたんだと思いたい。
娯楽作品として観るのも間違ってませんが…
偉大なる石岡パイセンからのメッセージ!
女性必見な作品ですね(*´ω`*)
パイセン、自分、目が幸せッス!(誰w)