八木

探偵はBARにいるの八木のレビュー・感想・評価

探偵はBARにいる(2011年製作の映画)
3.8
 最新作に向けて予習の助。
 これ頑張って観ないでいいやつです。好きな人は見る。そうでない人は見ない。とにかく大泉洋がありがたいし、松田龍平がありがたい。謎解き要素が深まるにつれ、探偵(達)とその周辺がじんわりと濃く見えて親近感が湧いて、ラスト近くには同じ温度で喜んだり切なくなることができる。適度なバイオレンスと猥雑さとコメディと、120分を超えるという時間的なスペシャル感。とてもよい。頑張って文句言う必要がないし、別に続編観ることが苦ではない。北海道すすき野っていう箱庭感も楽しいですね。
 大きな減点としては、謎の女からの電話が超絶加工無しの肉声で、「え、だってそうなんでしょ」とずーーーーーっと思ってたらやっぱりそうだったという捻りがなさすぎる点でしょうか。で、そういう謎解き要素は排除して、映画全体のメッセージがちゃんと用意されているのかと言えば、冒頭のオセロ使って最後の方に「なんか言ってる感じ」だけ残してるのはちょっと乱暴な気がしますな。
 「探偵」の造形も『何年前のパロディだよ馬鹿』と思わなくもない。この辺は原作読んだら解決するのかね。ただ、大泉洋のキャラと合わせて無理なレトロ感はなかった。
 始めからこの映画、完成した主人公を味わって楽しむ映画ってことは提示してるし、ちゃんと欲しいもの与えてくれたんでずっと好感度高かったです。楽しかったんで続編も見て「3」も劇場で見ようかと思いました。原作のストックの限り、毎冬くらい公開してもらって、4年に一回くらい劇場で見たいっすね。
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