♪ 瞳はせつなく グラスの空を飛ぶ
今夜はカタナシ おまえに酔いそうさ
想像以上にアレです。渋い作品でした。
紫煙と琥珀色の液体と煌めく雪の結晶。
まさしくハードボイルド。漢の物語なのです。
これはアレですね。
『探偵神宮寺三郎』の世界観に近いものがありますね(お恥ずかしい話ですが、僕の引き出しの中にあるハードボイルドはコレしかないのです)。考えてみれば、物語の転がし方も往年の“アドベンチャーゲーム”のよう。
しかも、主人公に名前がありませんからね。
あたりを見る⇒しらべる⇒ベンチの下…なんてコマンドが選択できないことが“もどかしく”感じる始末。特にスパゲティを食べる前に調べる場所があるでしょう。目の前のアレですよ。アレ。安藤玉恵さんに失礼ですよ。ねえ。
あと、アレです。
舞台が北海道という選択も見事な限り。
北の大地は悠久にて広大。首都圏では出来ないアクションも撮影することも出来るのです。コミカルな演出が少し邪魔な気もしますけど、凍てついた大地を舞台にするのならば“湯たんぽ”として扱えば良いのでしょう。
ゆえに死を厭わない筆致も沁みるばかり。
特に中盤のアレは…自業自得と言えばそれまでなのですが…うう…胸糞悪くなりつつも涙腺も弛み…一方的に他人様を断罪なんて誰にも出来ないのです…うう…。
まあ、そんなわけで。
期待値低めで臨んでみたら楽しめた作品。
誰にでもオススメできる作品ではありませんが、北海道の雰囲気(主に歓楽街)に浸りたいときにピッタリだと思います。そういう意味では、やはり漢の物語なのです。
あと、最後にアレです。余談です。
北海道は本当に魚介類が美味しいですよね。
個人的に一番好きなのは支笏湖のヒメマス。
静かな湖を眺めながら、ガブリと丸焼きを食べるのは最高の贅沢です。機会があれば是非とも(これは何の感想なのだろう…)。
To be continued…
→→→『探偵はBARにいる2』