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ボクシング・ヘレナのtakのレビュー・感想・評価

ボクシング・ヘレナ(1993年製作の映画)
2.7
デビッド・リンチの娘ジェニファーの初監督作品にして大問題作。

憧れの女性ヘレナを自分のものにしたい外科医ニック。彼はヘレナを監禁し、逃げられず自分に頼るしかない状況にするためにとんでもない行動に出る。しかし、形勢はいつしか逆転し、ニックはヘレナに隷属的に従うしもべとなっていく。その心理的バトルの果ては…。

シェリリン・フェンの彫刻のような美しさと、ジュリアン・サンズの偏執的な愛情。人体損壊というタブーを描きながらも、突き詰めれば愛の物語。父親の映画同様、悪趣味なのは間違いないのだけど、それだけに終わらせない迫力と緊張感。映画前半、ニックがレースのカーテン越しのヘレナを見つめる場面で、ティアーズ・フォー・フィアーズのWoman In Chainsが使われたのが印象に残っている。
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