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マイマイ新子と千年の魔法のimurimuriのレビュー・感想・評価

マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)
4.9
「この世界の片隅に」を見た人、ぜひこの作品を見てくれ。そして度肝を抜かれてくれ。という思いで再レビューしてます。
片渕須直は名探偵ホームズ以来個人的にものすごく思い入れのあるアニメーターなんだけど、この映画はとにかく本当にすごい。
片渕須直は近年のアニメ監督のなかでは唯一といっていいほど、子どもたちの物語を描くのが上手い。というのもここ十何年かで、ドラえもんを除けば小学生の子どもを主役にしたアニメ映画が大ヒットに値するほど面白かった試しがないし、事実大ヒットはしてなかったと思う。(宇田鋼之介の虹色ほたるはかなり善戦してたけど)

2000年からこっちのアニメは、子ども以外の鑑賞者を開拓、発見し、歩み寄るかたちでヒットを生んできたと思ってるんだけど、その過程で、描かれる対象というのも中高生以上のものが圧倒的に多くなっていったっていう気がしてて、そんななかで崖の上のポニョや虹色ほたる、宇宙ショーへようこそとか、小学生以下の子どもたちを主役としたアニメってのもぽちぽちあったことはあったけれども(ポニョと虹色ほたるはめっちゃ好き)、でも正直この映画に勝るものはなかったと思う。
マジでそのくらいすごい。
宮崎駿や高畑勲、芝山努、出崎統などの大御所から、押井守、原恵一、細田守、水島努、もっと最近では新海誠など、ここらのポストミヤザキな世代のアニメーターが国民的に注目され始めて久しいが、次こそは片渕須直がくると信じてる。何ならマイマイ新子でなぜ来なかったのか超不思議。
アニメ映画の監督って3文字の人が強いっていう法則があるって勝手に思い込んでるんだけど(もちろんかつてから今敏とか富野由悠季とか庵野秀明という3文字じゃないバケモノもいた)、これからは片渕須直や吉浦康裕や石田祐康、岩井俊二(あと個人的には望月智充も)という4文字勢が国民的アニメーターとしてくるのではないかと密かに期待している。
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