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マイマイ新子と千年の魔法のゆずのレビュー・感想・評価

マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)
3.7
「この世界の片隅に」が公開されたいへんな話題になっていた頃、同じ片渕須直監督作ということで名前が挙がっていた「マイマイ新子と千年の魔法」。
「この世界の片隅に」のロングランヒットを受けたリバイバル上映があると知り、これは見逃せないな…!と思い観に行った。
レンタルするよりも再映するならそっち行く派である。

1955年の山口県防府(ほうふ)市の田舎の農村を舞台に、おデコにつむじ(マイマイ)のある新子が妄想と現実の狭間で日常を送る物語。
家の前に広がる畑と、千年前の平安時代の町の様子をリンクさせてみたり、新子と同じ年頃の貴族の娘を思い描いてみたり。
田舎娘の天真爛漫な姿や、都会から来たお嬢様との対比、そして日本の原風景の中で描かれる日常に癒される。

ただこういったお話にありがちなのが「周囲の人に起こった出来事が中心になってしまう」ことで、本作も、転校生の貴伊子やタツヨシのエピソード、ひづる先生のことなんかは印象に残ってるのだが、新子自身が何かすごい試練を乗り越えた感じはあまりない。
まあ、それら人生のいろんな在り方を新子の感性で捉えた、という映画なんだと思うが。

千年前の姫さまの素朴な顔立ちがいとをかし。



8/9 マイマイ新子と千年の魔法 @チネ・ラヴィータ
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