ちろる

フローズン・リバーのちろるのレビュー・感想・評価

フローズン・リバー(2008年製作の映画)
3.7
寒いカナダの国境沿いの町に住む主人公は息子たちにクリスマスプレゼントを買うことができないほどの極貧生活、ボロボロなトレーラーハウスに住み、夫は金を持って蒸発しお金を作る見通しも出なくても車はどうしても手放せない広大な土地のアメリカならではの下流階級の生活。
地続きで国境を持つ大陸の環境は島国日本人にはなかなか理解しにくいのだが、今もこんな風に夜更けに不法入国者の行き来があるのだろう。
信頼できる人間は誰一人いなくてこの町にはたくさんの人が居ても個々が孤独を感じながら互いを知ろうとしない。
そんな風にすきま風がヒューヒューと吹いてるから愛し合っている家族関係でさえ大切なことを、言い合えなくてもどかしい場面が続くけど、そのどれもが悲しきかな必然なのだろう。
決して関わることのなかった先住民モホーク族の女とグルになり密入国に関わる事になるのだけど、それも根底は愛なのだという事を考えると何も言えない。
自分だったらどうするか?
今の自分には到底答えの出せない状況の数々にズキズキ胸を痛めながらもラストのお兄ちゃんのTJの笑顔があまりに優しくて救われた。