しろくま

フローズン・リバーのしろくまのレビュー・感想・評価

フローズン・リバー(2008年製作の映画)
4.4
アメリカの人里離れたカナダとの国境付近に暮らす貧困層の人たち ネイティブ・アメリカンであるモホーク族の置かれた状況 そしてトレーラーハウスに住むお金にさえ困っているシングルマザー。もう絶望的な状況ばかり見せつけられ辛い作品でした😢😢😢

今住んでいるトレーラーハウスを買い取るための資金をギャンブル好きの夫に持ち逃げされそのまま蒸発!!という所から物語は始まります。最悪!!と思いますが子供たちは父親としての彼を憎んではおらず逆に慕っている様子。母親もそんな辛い状況下 子供たちを1番に考えて長男(14歳)が「俺が働くよ」と言い出すと「あんたは学校に行くんだよ!!」と子供たちの教育の機会は絶対に奪わないという姿勢を見せます。(当然のことと言えばそうなんだけど こういうアメリカの貧困層のシングルマザーってとことんダメ女で子供の稼ぎも巻き上げちゃうってよくある設定なのでいい母親だ😭なんて感じてしまいます)

そんな彼女は1ドルショップで働いていますがとてもじゃないけどトレーラーハウスのお金が払える給料じゃない。…そこでたまたま知り合ったモホーク族の女性と凍った川を車で走り密入国の手助けをするという違法行為で稼ぐことになり…

子供たち以外の人間にはあまり情を見せず ちょっと冷たい雰囲気の彼女ですが ラストで彼女のとる行動には「本当は思慮深くて優しい人なんだ😭😭😭」と泣けました。こういう人には幸せになって欲しいよ😭😭そりゃ違法行為はいけないことだけどあの状況で家族を守る方法はあれしかなかった。「白人の特権」「白人だから大丈夫」という言葉が何度か出てくるけれど モホーク族の置かれた状況にも相当辛いものがある。誰ひとり大丈夫じゃなさそう😔「ウインドリバー」を見た時にも感じたアメリカ社会の闇を垣間見た気がしました。
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