kanaco4月末までお休み中

ペット・セメタリーのkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

ペット・セメタリー(1989年製作の映画)
3.9
キングの同名小説の実写化。ホラーとして怖がらせる手立てがチープなため全体的な怖さは緩い。ジャンルはゾンビ映画だがモンスターパニックが本題ではなく、死への倫理観や死生観が強く押し出されおり、全て「主人公が選択した」ことが肝となっている。この後味の悪さが切なくて余韻を残す作品。好き🥰(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

キングの同名小説の実写化。キングのホラー映画だと、けっこう知名度が高い方だと思うのだがどうだろう?シャイニング/キャリー/ペットセメタリーが代表的なイメージだが。1989年の古い映画だけれど、キング原作の中では上位に入るくらい好き🥰

主人公の医者が妻と幼い娘、生後まもない息子と田舎町に引っ越してくる。その家の土地は広く、ペット霊園がある裏山も所有していた。ある日、娘のペット猫のチャーチが事故で死んでしまう。隣家に住む老人から、山の霊園のさらに奥に秘密の霊園があることを教えられる。そこに死んだペットを埋葬すると生き返るのだという。医者は娘のために、猫をその霊園に埋葬する。すると、本当に生きて帰ってきたが、チャーチは以前とは違う凶暴な性格に変貌していた。そして、ある日、今度は息子がトラックに轢かれて死んでしまい…というお話。

幼い弟君とペットの黒猫のチャーチがとても可愛い。チャーチ、毛並みがふっさふさ。ゾンビ猫になった後も目がピカーッて光ってヌイグルミみたい。ゾンビとなった息子は、もはやチャイルドプレイのチャッキー。また、医者に恩義があって助言をしてくれる学生幽霊は見た目は怖いがけっこうコミカルでユーモラス。全体的にホラーとしての怖さは低め。ホラーとして怖がらせる手立てがチープなため、怖さが緩い。

ジャンルとしてはゾンビ映画だが、モンスターパニックが本題ではなく、死への倫理観や死生観が強く押し出されて描かれた作品。死者を蘇らせるという禁断に手を染め、その結果、やはりしてはならないことだと理解しても、愛する人が死んでしまったら、再び手を染めてしまう人間の哀しさ・弱さ・愚かさ。全て主人公が「自ら選択した」ことであるのがストーリーの肝となっている、この後味の悪さが切なくて余韻を残す作品。