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ディーバのbennoのレビュー・感想・評価

ディーバ(1981年製作の映画)
4.0
ジャン=ジャック・べネックスのデビュー作…。
今から40年前、『ベティ・ブルー』から約5年前に公開されたとは思えないほどスタイリッシュ…。

とにかくブルーが美しい!! ブルーにこんなにも種類があるのかというくらい…様々な濃淡のブルーで彩られた映像にうっとりです。

無類のオペラ好きであるパリの郵便配達員ジュールはレコーディングを拒否し続けるアメリカ人ソプラノ歌手"ディーバ"であるシンシア・ホーキンズの熱烈なファン…。

シンシアのリサイタルでジュールは高性能録音機を使い彼女の歌声を盗み撮りします…。

翌日、ある娼婦が2人組の男に殺されます。殺害直前男たちに追われた彼女は闇組織の秘密が録音されたテープをジュールの原付バイクに忍ばせたのです。

殺し屋に追われるジュール…しかも彼はシンシアの音源を狙う2人組の台湾人からも追跡されるはめに…。

2本のテープを巡って狙われるジュール…。

彼は知り合いである謎の仙人のような男ゴロディッシュとベトナム人娘アルバの協力を得て逃れようとしますが……。

オペラに始まり、エンタメ性を盛り込んだサスペンス、アクション…そしてジュールとシンシアとのラブロマンス…。盛り沢山な展開に加え、多国籍の役者たちも特徴的…。

夜明け近くの小雨の降る中…凱旋門の向こうにシンシアとジュールのシルエットが浮かぶブルーの世界…尋常ではない美しさ…エリック・サティの ♪ ジムノペディ ♪ を原曲とした ♪ センチメンタル・プロムナード ...♪*° 気怠いピアノが朝のパリに心地いい…。

ベンチでのふたりの座る向きの演出も素晴らしく、ひとつ傘の中…距離感が絶妙です…。

追っ手に追われたジュールはバイクでパリの街を走り抜けます…メトロの構内、オペラ座、コンコルド広場、サン・ラザール駅…パリの風景も今作の主役です…そして後半、もうひとりの主役は謎の男ゴロディッシュ…一体何者?彼の活躍も見ものです…。

テープの行方は…?ジュールとシンシアの恋は…?

観終わった後にジワジワと余韻の残る素敵な作品です。


thanks to; ゴリアテさ〰︎ん* ̥◌⃛✩✩͓◌‎ ̥*
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