しあつん

脅迫(おどし)のしあつんのレビュー・感想・評価

脅迫(おどし)(1966年製作の映画)
4.8
とある3人家族のもとに、誘拐事件で脱獄中の2人組がやってきて、部屋を貸せ!と突然言われ、さらに家族が犯罪に加担することになる物語。

三國連太郎の演じるお父さんは、広告代理店に勤めていて、質実剛健な営業部長。

(たぶん博報堂を意識してる。社内に貼ってある広告代理店の標語がそれっぽくて笑った。)

そんなお父さんが、犯罪者2人にそそのかされて、「ロボット」扱いされてるうちに、徐々に身代金の要求が上手くなって、普通の家だったのが、犯罪組織のアジトみたいになる。

妻も息子も不安になってくるように、お父さんの変化ぶりに見てるこっちも不安になる。

息子の「よわむし!」のセリフどおり、お父さんの「権威に従ってしまう」マインドと、歪んだプライドゆえに自らも犯罪者になっていくのかと思いきや…!!

オープニングから引き込まれた。全体的にカメラワークの揺れが激しくて終始ハラハラするし、夜の街のネオンが美しい。

警察との追いかけっことバイオレンスの迫力が、BGMのサックスの重奏が流れることで更に増していた。

ラストはお母さんの気持ちを考えたら一瞬にして涙腺がほどけた。
お腹いっぱいでした。
しあつん

しあつん